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ななふし先生の相続㊙相談手帖  第1話 ②

ななふし先生の相続㊙相談手帖  第1話 ②

 

前号からのつづき

 

遺留分の問題はどうするのかbusiness03_smile

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「それは、どういうことですか?」

 

 

「藤田さんの他の2人のお子様が、ご長男に全ての不動産を渡すつもりがあるかどうかということです。

そのつもりがあるなら遺言に従うだけですが、不公平だということになると、日本では遺言をしても一定の相続人には最低限の取り分として『遺留分』が認められていますので、遺言があってもそれ以上の遺産分けを請求されることになるからです」

 

 

「遺留分というのは、どのくらいの割合なのですか?」

 

 

「遺留分の割合は相続人によって違いますが、子供同士の場合は相続財産の2分の1となり、これに相続分をかけます。

3人兄弟の場合、相続分が3分の1ですから遺留分は6分の1になります。

不動産をご長男に全て相続させた場合、実際に他の2人の相続人が受け取る財産は、残りの財産の2分の1である10分の1ずつとなりますので、法定相続分の半分にも満たず遺留分を侵害することになりますね」

 

 

「それでも、私がそういう遺言を作れば、子供たちは大概の場合、従ってくれるのではないでしょうか?」

 

この質問から、藤田さんは子が自分の決めた財産の取り分でもめるわけがないと内心では思っているなと感じたななふしは、自分が経験したトラブルを話した。

 

 

家族への思いが伝わる遺言を

 

「私の経験から話しますと、遺言があっても相続人が遺言に従おうとせず、争いになって家族関係が壊れるというケースが最近は増えています。

特に遺言がなかった場合には法定相続分を要求されることが多く、その場合、確実に紛糾し後継者は大変な苦労をするというのが現状です。

遺言をすることは、相続人間には不平等な結果となるかもしれませんが、重要なことは、そのような遺言をせざるを得なかった藤田さんの思いが、お子様達に伝わるように遺言書を書くことではないでしょうか?」

 

 

「少しずつ私の進むべき道が見えてきたような気がします。

思い切って今度の正月に皆が集まったときに、自分の気持ちを話して子供たちの考えも聞いてみたいと思います」

 

 

「ただそのときに、財産分けだけでなく相続税も考えておかないと、悲惨な結果になることもあるので注意してくださいね。

もし誰に何を残すかが決まれば、相続まで待たないで贈与する方が節税になり、かつ確実である場合もあります。

だから、遺留分の問題をどうするかを決めたら、次に税金負担のこともしっかりと考えなくてはなりません。

その時は全力で相談にのりますので、一緒に考えていきましょう」

 

 

ななふしの言葉に藤田さんも、もやもやが晴れた様子。

家族間の話し合いと子の意見調整は、本人自身が強い決断を持って取り組まなくては前へ進むことはできない。

元気で皆が仲のよいうちにこそ実行してほしいなと、ななふしは心から願って藤田さんの後姿を見送ったのだった。

 

第1話 終わり